A/V Performance at Synesthesia Array

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福島第一原発から6kmの地域にある、とある家族の物語。

Visual: Me
Sound: DNS

 夜ノ森の元住民であるAさんの旧居は福島県富岡町に位置し、福島第一原子力発電所から南西約6kmの距離にある地域です。2011年3月11日の福島第一原子力発電所事故の影響で、この地域は帰還困難区域として立入禁止となりました。しかし、2022年1月26日には特定復興再生拠点区域に指定され、立入が可能になりました。さらに、2023年4月1日に特定復興再生拠点区域に設定された夜の森地区が避難指示を解除しました。避難指示が解除された直後、Aさんとそのご家族は12年ぶりに旧居を訪れ、避難時に持ち出せなかったいくつかの重要なものを現在の住まいに持ち帰りました。その後、地方政府による地域復興の一環として、地震で被害を受けた建物の解体作業が進められ、Aさんの旧居も住居として使用できない状態であったため、2024年9月中旬に解体されました。私はAさんのお家が解体される前に、家の空間を 3D スキャンや360度撮影など手段で、家のデータを保存し、デジタルアーカイブ化しました。この作品は私とDNSさんがその話を聞いて、データを共に見た後に、私たちのやり方でその物語を再構築し、音と映像を通じて新たなかたちで表現したものです。

 本プロジェクトは主にUE5を用いて制作されました。UE5のCHAOS物理システムを活用し、リアルタイムでの破壊シミュレーションを実現しています。また、一部のシーンでは、フォトグラメトリによって取得したスキャンデータを基にしたモデルを使用しています。最後のシーンに登場する小さな列車の模型は、家の持ち主が幼少期に乗っていた玩具の写真をもとに、AIで生成した3DモデルをBlenderで修復・調整したものです。

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